
年末年始って、どこのお店も本当に忙しそうだよね!初詣の帰りとか、家族で外食する人が多いんだろうな。

でも、うちの近くのランチのお店は年末年始ガラガラだったよ?いつものサラリーマンのお客さんが全然いなくて、お店の人も困ってた

そうか。お店によって全然違うんだ…立地が関係してるのかな?同じ準備じゃダメってことかも!調べてみよう!
今年の猛暑は、飲食店経営者の皆さまにとっても大変だったのではないでしょうか。夏メニューの提供期間を長くしたり、天気によって仕入れや仕込みを調整するなど、様々な工夫をされてきたことと思います。
忙しく働いて、あっという間に年末!とならないように、今回は、年末年始を乗り切るバックオフィス戦略をご紹介します。
前編では、まず自店の立地特性を分析し、年末年始にどのような対策が必要かを見極める方法をお伝えします。
なぜ立地分類が重要なのか
年末年始に思うような結果が出ない飲食店に共通するのは、「普段通り」の準備をしてしまうことです。
例えば、オフィス街の店舗が通常通りの食材発注をした結果、年末年始で大量廃棄が発生したり、逆に観光地の店舗が普段と同じ人員体制で年末年始を迎えて、お客様をお断りする事態になってしまうケースも。
立地による顧客行動の変化を事前に把握することで、以下のメリットが得られます:
- 資金繰りの安定化:売上予測の精度が上がり、適切なキャッシュフロー管理ができる
- 機会損失の防止:繁忙期の取りこぼしや、閑散期の無駄なコストを避けられる
- スタッフの満足度向上:適切な人員配置により、過度な負担を避けられる
自店の立地を客観視する方法
まずは以下の3つの視点で自店の立地を分析してみましょう:
1. 平日と休日の客層比較
- 平日:会社員・学生・主婦層の割合は?
- 休日:家族連れ・カップル・観光客の割合は?
- どちらの売上が高いかを数値で確認
2. 周辺環境の分析
- 徒歩5分圏内にオフィスビル・学校・住宅のどれが多いか
- 最寄り駅の利用者数と観光地へのアクセス
- 近隣に神社仏閣や観光スポットがあるか
3. 過去の年末年始データの確認
- 昨年の12月29日〜1月3日の売上推移
- 来店客の年齢層や利用目的の変化
- スタッフから聞いた当時の店内の様子
このデータを整理すると、自店が年末年始にどちらのパターンに当てはまるかが見えてきます。
年末年始が繁忙期になる飲食店の立地
観光地・温泉街
年末年始旅行の需要でピークを迎え、予約困難になるほど混雑する可能性があります。
駅周辺・繁華街
帰省客の利用や初詣客で賑わいます。特に大きな神社仏閣の近くは非常に混みあいます。
住宅街でも地域密着型
家族での外食需要が増加したり、おせちに飽きた家庭の利用が見込めます。
年末年始が閑散期になる飲食店の立地
オフィス街
12月29日〜1月3日頃まで休業する企業がほとんど。普段のランチ需要が完全にストップし売上が通常の1-2割程度まで激減することも。
学校周辺・大学街
学生が帰省で不在になるので、冬休み期間中は地域全体が静まり返っています。
住宅街の平日依存店舗
在宅率は上がるが外食頻度は下がる傾向にあります。
まとめ
普段の主要顧客が年末年始にどう行動するかで180度変わるのが飲食店の特徴です。そのため、事前に立地特性を把握した戦略が重要になります。
後編では、年末年始に繁忙期になる飲食店、閑散期になる飲食店のバックオフィス戦略についてお話します。